7月24日〔木〕

昨夜の宴会の影響もなく、5:30に起床。
隣のテントの高山氏はまだ起きる気配が無いので、朝食を済ませることにする。
メニューはトーストに目玉焼き、それとコーヒーだ。
コーヒーを片手にぼぉーっと朝の屈斜路湖に魅入る。
この時間の湖面は波が無く、まるで鏡のように景色を写しこんでいる。

朝のお散歩

「おはようございます。」
「うい、おはよう。どこへ行ってたの?」
「ちょっとこの辺を索敵してました。」
「ふーん、んで敵性体は確認できた?」
「いいえ、でもエゾジカがいましたよ♪」


7時過ぎに、起きてきた高山氏と
コタン温泉へ朝風呂を使いにいきます。
温泉には誰も居なくて、気兼ねせずに入浴できそうです。
「さて、撮影するか…樹ちゃん脱いで。」
「イ・ヤ・で・す!バカ言ってないでさっさとあっち行ってください!それとこっち見たら湖底に沈んでもらいますからね。」


この温泉、男湯と女湯の仕切は扇状の岩のみ。
半混浴の温泉です。
更衣室もありますが、湯船との間は丸見えです。
まぁ水着着用可なので女性でも入れるかな?
右が男湯、左が女湯
入浴後、せっかくなので砂湯クッシーを見ようと砂湯へ行く。
しかし、時間が早かったためクッシーは解体されて売店の中に片づけられたままだった。
高山氏と足湯で雑談していると、小柄なオッサンが話しかけてきた。
変人カヌーイスト このオッサンはカヌーイストで、娘さんと二人で北海道を旅行中だそうです。
昔バイクに乗っていたので、懐かしくて声を掛けたのだとおっしゃってました。
かなり話好きのオッサンで、
小一時間放してくれませんでした。
思う存分喋って満足したオッサンはアフロのカツラと鼻眼鏡(眉可動)を装着して屈斜路湖へと消えて行きました。















苦労してるな、娘さん(涙)







一旦和琴に戻ってきました。
高山氏はもう少し寝直してから小樽港へ戻るということなので、ここでお別れです。
9月の琵琶湖で再会できることを約束して出発します。




今日の第一標的は阿寒湖畔。
弟子屈から241号に入ると、カタナとBuellが追走してきました。
右が高山氏
しかし、峠に突入した途端にブッチギリ!

フッ、ザクとは違うのだよ ザクとは。

というのも今日から和琴に連泊予定なので、荷物はほとんどキャンプ場なのです。
北海道に来てから初めての軽装走行であっという間に
阿寒湖に到着しました。
アイヌコタン 阿寒湖はあまりにも観光地なので、今までスルーしてきました。
なので、今回が阿寒湖初体験だったりします。

まずは
アイヌコタンでミミズクのカムイを撮影。
そこからボッケを目指します。
途中温泉街の旅館でリムジンを見送る女将さんを目撃。
キャンパーなので関係ないけど、高級旅館の食事は美味いんだろうなぁと思ったり思わなかったり、興味なかったり。
ボッケ続く遊歩道の入り口にメルクールを停めて、森の中へ入っていきます。
10分ほど歩くと「ぼっこんぼっこん」と音が聞こえてきました。
風来スポットの
ボッケに到着です。

ボッケは阿寒湖畔で火山ガスが噴出している泥火山
ボッケとはアイヌ語で「沸き立つ所」という意味だそうです。
いかにも後から意味考えましたーって感じだよね。
8倍ズームで撮影
阿寒湖の桟橋 ボッケ脇の桟橋ですす。
青空が湖面に映えてとてもキレイです。
阿寒湖といえばマリモですが、桟橋からは確認できませんでした。
さすがは天然記念物、お高くとまってやがります。
阿寒湖畔で給油して、オンネトーへ出発です。
途中、陸自ご一行様に遭遇してしまい一緒に走って行くことに…しかしそこは公務員、見事に法定速度を遵守してくれます。
あまりの遅さに陸自車両をどんどん追い越し、オンネトーキャンプ場に到着。



オンネトーは見る角度や季節によって湖面の色が変化する不思議な湖です。
翡翠色からコバルトブルーへと変化する様は写真では伝えきれないほど神秘的で、時間の経つのも忘れて魅入ってしまいました。
「なんか言葉では表現できない色ですね。」
「写真でも表現できないよ、これは。」
「さっき絵を描いてる人がいましたけど、あれが一番上手く表現できそうですね。」
「うん、でもここは実際に観て欲しい場所だな。」
別名五色沼
オンネトーのキャンプ場内を湯の滝への遊歩道を探して彷徨います。
が、
見つからねぇー!
たしか“オンネトーキャンプ場から遊歩道を2・3キロ”のハズなのじゃが…

それもそのはず、キャンプ場より数百メートル離れた場所に入り口がありました。
そういや高山氏は見つけられなかったと言っていたな…

遊歩道を15分くらい歩くと湯の滝に到着です。
早速滝に手を入れてみるが

ヌルいわッ!

滝の上部は温度が高めですが、カムイワッカみたく湯気がたつほどではないです。
そして滝壺には魚がたくさん泳いでいます。
オショロコマかな?と思って見てみると、














テラピア

















なんで熱帯魚?










温泉が流れ込むこの滝壺でしか繁殖できないのでしょうが、んなもん放すな!

ここは滝の中腹あたりに入浴可能な温泉があります。
着いた時は、家族連れが水着で遊んでいて撮影することができません。
どうやら子供を遊ばせているようです。

そういうことは家に帰ってビニールプールでやれ!

結局30分以上待って、お帰りいただけました。
「と言うわけで、オンネトー湯の滝です。
泉質はマンガンを多く含む緩和性低張鉱泉。」

「この滝の上部に世界で唯一マンガン酸化物生成現象を地上で見れる湯だまりがあるんだよ。」
「え、マンガンなんてありませんでしたよ?」
「(肉眼で確認できると思ってたのか?)
とゆーわけで保護のため、上の昔の湯船は入浴禁止です。」
「流れてくる間に冷めるのか、ここの泉温は40℃。
長々と子供を遊ばせるには良い温度ですね♪」
熱湯ドール
ここでは入浴していくつもりだったのですが、30分のタイムロスにより断念せざるを得なくなったのです。
根に持つのもしかたがないかと思われます。


オンネトーから来た道を引き返し、次の目的地
白藤の滝へとむかいます。
白藤の滝の看板は知らなければ絶対見落とす小さな看板。
道路の距離表示が52.5km付近にあります。
ここからグラベルに入るのですが



いやもう、なんですか?この砂利の深さは?
なんか余裕でスタックしてますよ?
轍はこの程度タンデムでもチョロかったのだろうか?
つかテールがすげえ暴れてるのですが。
件の看板
駐車場に着くまでにスタック2回、エンスト3回。
この道、カムイワッカよりキツイです。
さらに駐車場から滝まではスンゴイ斜面を降りなければならないと来たもんだ!

「なあ、轍ってホントは樹ちゃんのこと嫌いだったんじゃ…」
「うっ、私も薄々そうなんじゃないかなーと思い始めてたところなんですよぉ (T_T)」

白藤の滝は今まで北海道で観たどの滝よりも豪快な滝でした。
なんか流れ落ちるというより吹き出してるといった感じで、ダムの放水に近かったかな?

白藤の滝にて

240号を阿寒湖方面に戻り、241号に左折して北上します。
次の目的地は
チミケップ湖、湖周辺の道路は全て未舗装の秘湖です。
南からだと道道494号でアプローチすれば行程の大半を舗装路で行けるはずです。

が、



道路工事のため全面封鎖中


仕方がないので津別側から侵攻することにします (T_T)
その前にヘブンイレブンで昼食、今日はチキンカレーです。
ここまで店がまったく無かったので、法術で人形を動かせるくらい空腹でした。


腹が脹れたところで、チミケップに向けグラベルに突入。
カムイワッカ、白藤の滝と経験した後だと舗装路のようにラクチン♪
木漏れ日の下をのんびり走ること6km、チミケップ湖に到着です。


チミケップは北海道三大秘湖のひとつで、手漕ぎボート以外の侵入が禁止されています。
観光客も少なく、とても静かな湖です。
ここには樹ちゃんの木パート2・湖岸の木があるのですが、根本の岸が浸食され倒れていました。

足下の切り株がソレ

「見事に倒れちゃってるね。」
「もともと枯れ木でしたから仕方ないですよ…」
「2年前の渡道の時に風雨来記を知っていれば、元の風景を見れたのかもね。」
「この木もこのまま朽ちていくんでしょうね…」

チミケップの寂しい空気に触れ、ちょっとしんみりしてしまいました。

チミケップからさらに奥に進み
鹿鳴の滝を目指します。
滝への分岐を左折しようとすると…
ここまで通行止めかいっ!

さきほどの工事封鎖はこんな所まで続いていました。
鹿鳴の滝はすぐそこなので徒歩なら行けるかもと、メルクを置いて歩いていきます。
しかし30mも進むと道路が無くなり、黄ヘル被った作業員が道の基礎から工事してました。
なんてこったい
どうやらこれ以上は無理と判断して、もと来た道を引き返しことにします。


チミケップから津別市街に戻った我々は
玉ちゃんの自販機を探して町中を彷徨います。
綾乃丞さんの情報によると、津別峠を越えて最初の信号の右手の住宅街にあるらしいのですが、なかなか見つけることができません。
仕方がないので奥の手、簡易郵便局へと入り、オフィシャルコンプリートを突きつけて道を尋ねます。

「オバちゃん、この写真の場所って知ってる?」
「これって津別市内?」
「うん、この辺らしいんだけど…」
「私の知ってる場所だとこういう自販機は一カ所だけだねぇ。でも違うかも…」
「とりあえず行ってみるので道教えてください。」

オバちゃんにゼンリンの地図で詳しく教えてもらい、その場所に行ってみると…
「ありました〜、玉ちゃんの自販機です♪」
「メロン…は無いか、じゃあトマト買って撮影だ。」
「人の目が多いですけど良いんですか?」
「道に背を向ければ何やってるか分からないさっ!」
「ううっ、子供達がやってきましたよぅ 早くぅ!」

近くに小学校があるのか、下校中のお子様たちの接近に怯えながらの撮影でした。
玉ちゃんのシーン
そろそろ日が傾いてきたし、お子様に囲まれるとたいへん危険なので急いで出発します。
このまま津別峠を越えれば和琴に帰れるのですが、せっかくなので美幌峠を廻って帰ることにします。
太陽光が夕日になる前に美幌峠に着きたいので、少しペースを上げてバイクを走らせます。

美幌峠は標高490m、高度が上がるにつれ気温が低下してきました。
上着をもう一枚重ね着しなくちゃ耐えられなくなる頃に美幌峠に到着です。
駐車場にバイクを停め、三脚を持って展望台への階段を登ります。
展望台からは屈斜路湖を一望できます。
前回来たときは霧に覆われていたのですが、今日は青く輝く屈斜路湖を見ることができました。
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖で、最深部は118m。
大きすぎて湖岸からは全貌を見ることはできませんでしたが、ここからならカルデラ湖ということがよく分かります。
美幌より屈斜路湖
さて、わざわざ遠回りして美幌峠に来たのは屈斜路湖を眺めるためだけではありません。
樹ちゃんの木パート3、真・樹ちゃんの木を背景に写真を撮るためです。
枝が折れてしまっていると聞いていたので、注意しながら木を探していきます。
しかし、なかなか見つけることができません。
さらに執念で探し続けると…
「樹ちゃんの木、完全に沈黙!」
「え、なにゆえ!?」
「雪の重さに耐えられなかったんだろうね。」
「うう〜、私の木ってみんな折れたり倒れたりしてますぅ。」
「樹ちゃんの呪いかな…」
「るる〜 (T_T)」
無惨…
どおりでなかなか見つけられないはずです。
樹ちゃんの木は、枝が折れた事により幹の強度が落ちてしまっていたみたいですね。
数年後には痕跡すら消えてしまうのでしょう。

しかしここまでの樹ちゃんの木は全て折れたり倒れたりしています。
樹ちゃんと写真に写ると呪われるのか?
それとも樹ちゃんに命を吸われているのか?
樹ちゃんはセミなのか?

「失礼ですね、せめて吸血鬼と言ってください。」(おばさんクサく)
「いや、だって7年間待ってたところとかセミっぽくない?」
「が、がお…」
樹ちゃんの木が再起不能だったので、別の木で撮影します。

「この木も枯れたら呪い確定だな。」
「不吉なこと言わないでくださいっ!」

これから渡道されるふうライダーの皆さん、この木が枯れてしまっていたら報告おねがいします。
ちび樹の木(命名)
展望台から降りてきて、美幌峠のレストハウスで休憩。
揚げいもとお茶で体を温めます。

「北海道で何が一番好きかって、この揚げいもなんだよね。」
「わたしも〜♪」

揚げいもっていうのはジャガイモをまるまる二つ割り箸に刺して、衣をつけて揚げた北海道名物。
ジャガイモの本当の旨味を堪能できる逸品です。




美幌峠を出発して、弟子屈のスーパー摩周で晩ご飯の買い出しをして和琴半島キャンプ場に帰ってきました。
今夜のメニューは鍋焼きうどん、昨夜はジンギスカンだったのでアッサリ系です。
それとスーパーで見つけた謎の食材
オバイケ風 雪くじら

オバイケ風ってなんや?
雪くじらってなんや??

加工法も原材料も謎の一品が魚売り場に置いてあったのです。

食べたい、非常に食べたい。

そしてガッカリしたいw

かなりテンパッた誘惑に負け、つい買ってきてしまいました。
謎の食材
付属のからしみそを掛けて食べてみます。
食感はグニグニしたゴムのようで、味はまったくありません。
たとえて言うなら味のないこてっちゃん。

食べてみたところで謎は先送り!

先送りかよ俺…orz
仕方がないので、原料表示を確認すると
でんぷん、小麦粉、アミノ酸、イカスミ…

海産物ですらありません。
予想の斜め上を行くガッカリです!
これってカマボコなんかの売り場に並んでいるべき商品じゃないだろうか?



ちなみにぜんぜん美味しくなかったです。




本日の走行距離 : 323km
積算走行距離  :2,020km