「こにゃにゃちわ〜♪」

観鈴が学校から帰ると、玄関に黄色い物体が居た。
ちなみに今は春休み。
進級を賭けた補習も昨日で終わり、今日は朝から成績表をもらいに登校してきたのだが…

「ケロちゃん?」

それはN○Kのアニメに登場するキャラクターだった。
総合、教育、BS2としつこく再放送するのは御容赦を。
なにせN○Kにとっては「不思議の海〜」以来のヒットアニメである。
とにかく、家で一人で遊ぶことが多かった観鈴には馴染みの番組だった。
ちなみに神尾家にもBSが導入された。
晴子は阪神応援のためCSのスポーツチャンネルを強く推したが、観鈴と往人は断固反対した。
何故ならシーズンが始まると、他の番組を見れなくなるから。
観鈴ちん頑張ったよね…

閑話休題

「なんでケロちゃんが家に…?」
「なんや〜 観鈴ちん判らへんのか〜?」
「あれ、ひょっとしてお母さん?」
「そうや〜 観鈴ちんは友達おらへんかったから、よう観とったやろ〜」
「がお…」

何気にイタイ言葉が来た。
友達が出来た今でこそ冗談で済むが、少し前だとゴールしてしまいそうだ。
晴子は定期的な観鈴いじめを忘れない。
これも親子の仲が良い証拠だろう。

「でも何でケロちゃんになっちゃってるの?」
「実はな、軍曹の呪いで朝起きたらこんな姿になっとったんや…」
「軍曹って誰?」
「軍曹いうたらサンダース軍曹や。道頓堀の底から呪いをかけ続けとるんや。
 あのころのウチは幼い少女やったていうのに、執念深いヤツや…」
「お母さん、あの一件に荷担してたんだ…(汗」
「ってそんなわけあらへんやろ〜 相変わらずアホちんやな〜
 ぬいぐるみにスピーカー仕掛けとるんや、ちなみに操縦担当は居候や♪」

よく見れば、居間からマイクを持った晴子とメガネを掛けた往人が顔を覗かせている。

「往人さん、目悪くなっちゃったの?」
「いや、これは芸を完璧にするための演出だ」
「メガネ掛けてる時は居候のこと雪兎って呼んだってや〜」

こんな目つきの悪い雪兎さんはイヤだな〜、と観鈴は思った。
どちらかといえばユエさんなんじゃ?とも思ったが、ノリノリな二人には言えなかった。

「こないだ保育所で披露したらめっちゃウケてな〜 そろそろメジャーデビューしよ思うんや」
「すごいよ往人さん、これならウッハウハ間違いなし ぶいっ!」
「ウッハウハ…」
「というわけでや、観鈴はコレ持っとき」

「これって封印の鍵…ってもしかして…」
「さあ出発するで〜♪」
「え?私も頭数に入ってるの?! わ、ちょっと待ってせめて着替えさせて 助けて往人さ〜ん!!」
「ゴメンね、さくらちゃん」
「うわっ 往人さん成りきってる? っていうか全然似てないよ〜!!」
「うるさいっ」





めいどはんまーin大阪5
◇観鈴と最初の喰らうカード◇





「お母さんヒドイよ、せめて私服ぐらい着替えさせてくれても…」
「あかんあかん、今回のレギュレーションはメイド服か制服や、着替えたら参加できへんで」
「レギュレーションって…新芸を披露するんじゃなかったの?」
「ある意味芸の披露の場やけどなw これは「めいどはんまー」ちゅうて、これから観鈴ちんにはあそこのお嬢ちゃんらとどつき合いするんや」
「ええーっ!! そんな私トロいし無理だよ〜!」
「そう言われたらそうやな… よっしゃ!ほなこのカード使い」
「これってソードのクロウカード…」
「初めはソードの戦い方見て勉強しぃ それともいきなり戦うか?」
「わ わ ソードにお願いするよ えーと…
 クロウの創りしカードよ。我が鍵に力を貸せ カードに宿りし魔力をこの鍵に移し、我に力を ソード!」


「───問おう。貴女が私のご主人様ですか」(←この辺がメイド)
「え?あ はい よろしくお願いします」
「なんや違うモン召還してもたみたいやな あんたソードやないな?」
「私はメイドセイバー。 貴女の剣となり、その敵を討つのが責務です。
 ご主人様、命令を。」
「私のことは観鈴でいいですよ。じゃあセイバーさん、「めいどはんまー」に参加して敵と戦ってくれませんか?」
「わかりましたミスズ」





一戦目は一人1キャラ、4対4の小規模戦闘です。
セイバー参戦の西軍の陣容は
奥からシクルーさん、絵里さん、セイバーさん、ウォルナさん。



対する東軍の陣容は
奥から平重盛さん、咲子さん、静さん、チャムチャムさん。
両軍とも近代兵器を装備しているのは一人ずつという肉弾戦。
どうやら大阪はんまーにおいては、銃は最後から2番目の武器という考えが根底にある模様。

1ターン目は両軍共に移動のみ。
お互い長射程の武器を所持していないため、白兵戦が主体になります。
セイバーも範馬の血を引く剛の者・静さんを目指して戦場を駈け抜けるのですが…

「セイバーです。今回は鎧を着とるとです。重くて走りにくかとです。セイバーです。」
「にはは、セイバーさん頑張って〜♪」
「あかん、マスターに似て鈍くさい娘やな〜」
「がお…」

鎧は移動力が−1されるため、戦況に応じた移動できません。
戦闘には有利ですが、戦術的には不利なスキルです。


右翼側ではシクルーとチャムチャムの侍魂対決が火蓋を切りました。
先手はシクルーのアウトレンジからの投げナイフ攻撃。

「ってイキナリ落馬しとるやんかー! ヘタクソー! 金返せー!!」
「にはは、ナコルルさんは武器のナイフ扱いで本体は狼さんなんだって。」

確かに登録キャラはシクルーだし、メイド服着てるのもシクルーです。
このナコルルの鉄砲玉突撃は無惨にハズレ。

さらに距離を詰めた両者は白兵戦に移行。
ナコルルから「食べて良し」のお許しが出てますw
シクルーは関節技が得意な格闘系キャラ。
対するチャムチャムは剣扱いのクローを装備した白兵戦キャラ。
チャムチャムの初撃をかわしたシクルーが逆にに襲いかかります。

「いやや〜 男はみんな狼さんや〜 ケダモノなんや〜♪」
「わ、わ…」
「ウチも気ぃつけな居候に襲われてしまうかも〜♪」
「往人さんはお母さんなんか襲ったりしないよ!」
「おお?エライ自信やな〜♪ その自信の根拠を詳しく教えてくれへんか?」
「が、がお…///_///

一度は関節技が極まるものの、チャムチャムも負けじと猫パンチで応戦。

獣属性だけあって回避性が高いのか、この後両者共に攻撃が当たらず、戦いは膠着状態となってしまいます。


場所が変わって戦場中央では絵里さんと咲子さんが射撃戦が開始。
今回唯一の飛行ユニットである絵里さんを墜とすため、東軍射撃ユニットは全力で絵里さんを攻撃。
正面からは咲子さんによる対空射撃。
そして騎兵の機動力を生かして背後に回り込んだ重盛さんが、よっぴいて、ひょうと射る。
集中砲火により、HPを削られた絵里さんは咲子さんのZOCに強行着陸。
白兵戦に持ち込みますが…

咲子さんの忍者刀での反撃により轟沈
「南無…」

西軍唯一の射撃キャラが戦線離脱してしまいましたが、咲子さんも白兵戦に突入した際に銃を手放したため白兵キャラに転身。


一方、敵陣深くまで侵攻していた重盛さん。
ついにウォルナさんに接敵されてしまいます。

「やぁやぁ我こそはリリアン女学園3年藤組ウォルナなり!」
今まで騎兵の機動力に翻弄されていたウォルナさんは、ここぞとばかりに「乱舞」を発動。


このダイスが見事に回り、重盛殿討ち死に(死んでません)
これで両軍とも射撃武器を持ったキャラが居なくなりました。

「おおっ これで完全にドツキ合いや〜 ええなぁウチらも参加せぇへんか?」
「ダメだよお母さん、まだセイバーさんが頑張ってるんだから」

そのセイバーは静さんと一騎打ちの最中。
しかし、両者とも鎧を着込んでいるためダメージが行きません。
まるでバトノレメックの如き装甲の削り合いとなってしまってます。
そこに援軍に到着。
スカートのプリーツは乱さないように、白いセラーカラーは翻らせないように、ウォルナさんがやって来ました。

「ごきげんようセイバーさん、お手伝いさせてくださる?」」
「ありがとうございます。そろそろお昼なので早く終わらせて食事にしましょう。」

二人相手では、さすがの静ハンマーも防ぎきれず、HPは残り1に。
このままではやられると、静ハンマーさんはテレポートにて戦線離脱します。

「く、逃がしてしまいましたか…」
「追いますか?」
「いや、それよりお腹空きました。ごはんまだですか?」

静さんは戦線離脱したものの、HP1では志気判定に成功するはずもなく泣き出してしまいました。

「うわぁぁん、憶えてなさいよ〜(泣)」



ここで戦闘終了。
少人数制でしたが、プレイ時間が短かったため勝敗は決せず。
両軍とも損害は1名ずつの引き分けでした。
「申し訳ないミスズ、敵を打ち倒せなかった」
「そ、そんなことないですよ。セイバーさんは頑張ってくれたから。次は私の番、にはは…」
「そやで、アンタはようやったわ。午後からも頼むで〜♪」

ぐきゅるる〜

「あ…///_///
「あはははは、なんや真面目な娘やな思とったけど、可愛いとこもあるんやな〜」
「く、空腹の報せとは誰にだって備わっている事です。それは恥じるべきことではありません!」
「はいはい分かった分かった。観鈴ちんお昼にしよか」
「腹へった…」
「居候、アンタもお疲れさん。昼からもウチを上手に操縦したってや〜♪」
「卑猥な言い方はやめろ、観鈴が固まってる」
「わはははは、純情やな〜
 ところで観鈴、アンタさっき『お母さんなんか』て言うてなかったか?あらどういう意味や?」
「え?言ってない 私そんなこと言ってないよ」
「い〜や、確かに聞いたで。どういう意味や?あん?ウチはまだ28才やっちゅうねん!
 そんなこと言うんはこの口か?この口なんか〜!?」
「ひ、ひはいひはい…はふへへふひほは〜ん、へいはーは〜ん…」
「なかなか美味いなコレ…」
こくこく…