2003年 風雨来記というゲームと出会った。
 初めは、北海道の懐かしい風景を楽しむつもりで買ったゲームでしたが、渡道願望症候群(不治)の発作を再発させてしまい、気付いた時にはフェリーの予約&休暇の申請を済ませてしまってました。

 
というわけで北の大地へ旅立ちます。


 って、直前までドールの服を作っていたため、わくわく期間も何もなく旅立ちの日がやって来ました。
そう、今回は
1/6ドールと行く北海道10日間の旅なのです。

「というわけで、今回の旅のマスコット兼モデルの時坂 樹(ときさか いつき)です♪」

ただでさえ荷物を切りつめなくてはならないバイクの旅、こんなお荷物を連れてどんな旅になることやら…





7月19日〔土〕

いよいよ出発の日です。
今日の天気は朝から雨、雷鳴も止みません。
とりあえず、フェリーの出る舞鶴港には21時までに到着すればいいので、雨が止むのを祈りつつ午前中は荷造りしつつマターリ過ぎていきます。
 旅の相棒のメルクールも荷物を満載してすっかり旅モード。いつでも出発準備オッケーなワケですが、さっぱり雨が止みません。それどころか…

大雨洪水警報ってなんやねーん!

いや、しょっぱなから風雨来記ツーリングです。(涙)

 とはいえ、そろそろ出発しないといけない時間なので、雨具を着て発進です。
 豪雨の中、舞鶴を目指して高速道路を走っていると、大阪に入ったあたりで雨が止みました。私は、ただひたすら走るだけの高速道路が好きじゃないので、中国池田ICで高速道路を下りて国道を走るルートに変更します。高速を下りると太陽が顔を出し、梅雨の最中のツーリング日和となりました。
つか、暑ぢぃ〜!
 ずっと高速走行だったので、雨具を脱げてないのです。春用ジャケットと雨具(黒)の重ね着+夏の太陽の連携技により、体力と水分が奪われていきます。たまらず道端に見つけたダイソーの駐車場で雨具を脱ぎ、ついでにチェーンに注油します。ふいー、快適じゃわい!
 
 舞鶴へと続く国道173号はなかなかの快走道路。
おかげで休憩無しで舞鶴まで走ってしまい、舞鶴港に16:30に到着してしまいます。

「こんなに早く着いて何する気だったんですか?」
「う… 舞鶴といえば海自の艦上見学だろう。「みょうこう」と樹ちゃんのツーショットを撮ってやるぜ!」

と、海自の基地を目指しますが、
開いてねぇ〜(涙)
艦上見学は16時で終了してましたorz
仕方がないので先にフェリーターミナルへ行って手続きを先に済ませてしまうことにします。
 手続きを済ませると、ちょうど自分達の乗る「ニューあかしあ」が入港してきました。入港直前のためバックで進入してきます。

「まだまだ時間がありますけど、どうします?」
「舞鶴市街で買い物だ。フェリーの食事は高価いから、食料を三食分と暇潰しの小説を確保せねばならん。」


 というわけで、舞鶴市街でお買い物です。まずはミスタードーナツでオールドファッションとカリーパンを購入。本屋で適当な小説を見繕って、吉野家で夕食です。
「並み、葱だくのつゆだくと卵!」
「わっ、またそんな危険なオーダーを!」

ここ舞鶴西店はU字カウンターが存在せず、刺すか刺されるかの喧嘩が起こらない安心設計。そのせいか、やたらとファミリーが多く、店員のお姉さんはマクドと勘違いしたかのごとくサラダを勧めまくっていた。
「そういや俺はサラダ勧められられなかったぞ?」
「葱だくのつゆだくを注文したからじゃないんですか?」
「うーん、マークされるというのは本当だったのか…」


都市伝説の真偽を検証しつつ、コンビニでカップ麺&おにぎりを購入して舞鶴港へ戻ります。
舞鶴港ではすでにバイクや車が乗船待ちで並び初めていました。乗船開始の22時までまわりのライダー達と雑談や情報交換で時間を潰します。シーズン初めとはいえ集まったバイクは約80台、やはり北海道はライダーの聖地なのですね。

そしていよいよ乗船開始です!
実は私、このフェリーの乗下船時っていうのが大好きなのですよ。特に大型フェリーのこのスロープなどはたまりません! 
さぁ、北海道へ向けて出港!


本日の走行距離 : 260km








7月20日〔日〕

 今日は一日中船上の人なのです。
昨日は早く寝たため、起床時間(部屋の電気が点く時間)前に目覚めてしまいました。
二度寝してもいいのですが、せっかくなので甲板に新鮮な空気を吸いに出ることにします。

「海〜♪」
「さすがに陸はもう見えないなぁ。」
「わ、すごい風ですね。海の上ってこんなに風が強いんですね。」
「それもあるけどフェリー自体も20ノット・時速38キロで航行しているからな。」
「ゆっくり走ってるように感じるけど、結構スピード出てるんですね。」
 しばらく水平線を眺めていると左舷前方から同型船が接近してきました。「フェリーらいらっく」、昨日の朝に小樽を出港して今日の夕方舞鶴に着く船です。朝のこの邂逅は船内アナウンスで知らせてくれない、早起きした人だけの隠しイベントのようです。あちらの船でもこちらに気付いた人が居るのかなぁ?

 船内に戻り、午前中はラウンジで携帯を充電しながら読書でまったり。その後お風呂に入ったり、洗濯したりで時間が過ぎて行きます。 
 いつもなら午後も退屈な時間を過ごすのですが、今日は海の日ということで特別イベント「ブリッジ見学」が行われるみたいです。お祭り好きな私としては当然参加♪参加希望者は一旦ロビーに集まって、ブリッジへ移動します。
 そしてこれがフェリーのブリッジです!
 最近の船は想像してた操舵輪って無いんですね。コンピュータ制御で操舵しているみたいです。
 目立つ機械は、エンジン制御関係の装置とレーダーだけです。写真右手には神棚が祀ってあります。近代的な操縦室の中に神棚があるのは、なんだか不思議な風景でした。いや、むしろ海というヒトの版図外だからこそ神が必要なんでしょうね。
そんでこれがレーダー。
レーダーといってもマウス操作で色々な情報を把握できるハイテク機器です。真ん中の輝点がフェリーで、そこから伸びている線が予定進路です。ここに航路を入力すると、半自動的に操舵してくれるらしいです。

 右下の二つの輝点はレーダーが追跡している船で、そこから伸びている短い線はベクトルを表しています。
 左下の靄みたいのはフェリーの航跡で、その中にある輝点は追跡していない船だそうです。
あわよくばブリッジでドール撮影を!  と思ってたんだけど、人多すぎですw
 夕方、館内放送で「らべんだあ」とすれ違うと知らせてくれました。「らべんだあ」が汽笛を鳴らすと、「あかしあ」も汽笛で答えます。朝の邂逅と違って、この邂逅は船旅の正式なイベントです。
 「らべんだあ」は明日の朝、「らいらっく」と静かにすれ違うことになります。
 小樽〜舞鶴航路は、この三隻のフェリーが31時間かけて運航しています。来年からは新型船により時間が短縮され、二隻でできるようになるそうです。今の三隻のフェリーは、おそらく外国の航路で引き続き走り続けることになるのでしょうね。
さあ、明日の朝には北海道に上陸です。
入港は早朝4時なので、今日は早めに寝ることにします。
いよいよ北海道の旅がはじまるんだ…

本日の走行距離 : 0km